偉大な2人の作曲家の命日
いつもご覧いただきありがとうございます。磯貝萌子です。
さて、今日4月27日は、2人の偉大な作曲家の命日なのです。
その作曲家とは、スクリャービンとメシアン。共に20世紀を代表する作曲家で、私もこれまで沢山弾いてきています。
今日はこの2人の作曲家の作品をご紹介しますね。
まずはスクリャービン。晩年の傑作2つをご紹介します。ピアノ・ソナタ第10番Op.70、詩曲「焔に向かって」Op.72です。
スクリャービンは、初期はショパンの影響も大きいですが、20世紀に入ってロシア象徴主義の思潮、神智学に触れ、結果として独自の芸術観を確立します。この傾向は晩年の作品に強く出ており、ピアノ・ソナタ第10番と詩曲「焔に向かって」にも当てはまります。
ピアノ・ソナタ第10番は、頻繁に現れるトリルにちなんで「トリルソナタ」とも呼ばれています。スクリャービン自身は「光と昆虫のソナタ」と呼んでおり、「虫たちは太陽から生まれ、彼らは太陽の接吻なのである。」と語っていたそうです。
詩曲「焔に向かって」は、独自の芸術観を確立後のスクリャービン作品に多く登場する、火や炎のモチーフの作品の一つに数えられます。4度の積み重ねによる神秘和音が多用されていることも特徴です。
お次はメシアン。鳥のカタログから クロサバクヒタキ、4つのリズムのエチュードから 火の島Ⅰと火の島Ⅱをご紹介します。
鳥のカタログは、メシアン自身が自然に出て鳥の声を採譜し、全7巻・通巻13曲からなるピアノ独奏曲集にまとめた作品。それぞれの曲のタイトルとなっている鳥以外にも、別の鳥が登場したり、曲想や速度表示などの代わりに自然の情景が書き込まれていたり、楽譜を見てもとても面白いのです。クロサバクヒタキは第7巻の2曲目、通巻で第12曲目にあたります。
4つのリズムのエチュードは、セリー(一定の組織を持つ音の系列、十二音音楽を支配する原理の12音列のこと)の観念を様々な音のパラメーターに用いており、計算された関係による音楽構造の探究がなされた作品の一つ。火の島Ⅰは第1曲目、火の島Ⅱは第4曲目に位置づけられます。数学的なコンセプトと共にヴィルトゥオーゾ的な要素も併せ持つ2曲です。
偉大な作曲家たちが残してくれた功績を、しっかりと継いでいけるよう精進です。それぞれの曲のフル動画も、下にまとめて貼ります。
次回は、オンラインレッスン、動画レッスンについての記事です。お楽しみに!
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第10番Op.70
スクリャービン:詩曲「焔に向かって」Op.72
メシアン:鳥のカタログより クロサバクヒタキ
メシアン:4つのリズムのエチュードより 火の島Ⅰ・火の島Ⅱ